先日、長春知行合一動漫有限公司(以下、「知行合一動漫」)の会長、李岩松氏が人民網のインタビューを受け、主旋律アニメの制作について次のように述べた。主旋律アニメをうまく作るためには、先進的な映画技術は欠けない、そして豊かな中国の優れた伝統文化を養分とし、それらを合わせて、結びつけることが必要だと強調した。それが叶えるなら、現代のアニメ制作は中国の伝統文化を受け継ぎ、伝統文化の精神的なものを継続させることができると述べた。
「映画ののゆりかご」に集い、優れた国産アニメを作り上げる
2016年に成立された知行合一動漫、アニメ教育、技術開発、アニメ制作を一体化した国家ハイテク企業で、本社は吉林省長春市に位置している。国のハイテク企業であり、吉林省の「専門的で特化した新しい企業」として認定されている。主な業務内容は、映画・アニメ制作、職業教育の産学連携サービス、業界向けクラウド技術サービス、デジタル文化資産の創作などあり、テクノロジーを活用してデジタル文化産業の発展を推進させている。「現在、当社の制作チームの規模は350人を超え、全国各地から集まったアニメ分野の人材が揃っている。私たちは、北国の春城(長春)に集まった理由はただ一つ、優れた国産アニメを作り上げるためだ」と李岩松氏は述べている。
李岩松氏は、長春に来た理由について、子供の頃から「長影」(長春映画製作所)に憧れていたからだと語った。今の彼はこの「新中国映画のゆりかご」で、アニメ映画への感情を持ちながら、優れた後継者を育っている。
近年、知行合一アニメは長春市の豊富な大学資源を活用し、複数の大学と産学連携を行い、「共同建設学院」と「協力実習」の2つのモデルを通じて、業界でニーズの高い2Dアニメデザインの人材を育成している。2022年には、知行合一アニメは「摆渡創新工場」と協力して、吉林省デジタルアニメ産業園を設立し、アニメ業界の多くの人材を集めることを目指している。
「業界には思考力と実践力を兼ね備えた複合的な人材が必要で、教育は業界に利益をもたらすことができ、最終的には自分自身にも利益をもたらすことができる」李岩松氏は、アニメ人材の育成が急務であることを認識している。
「セルルック」の開発からオリジナル領域への挑戦が絶えていない
李岩松氏は、技術水準の向上を目指して、知行合一動漫自社の人材と原動力を活用し、コアな研究開発部門を設立し、「セルルックCG補助技術」(現実ソフトウェアを利用して、二次元の手描きの作画スタイルを実現できる技術)を開発した。この技術は、2Dアニメ制作能力の低さなどの問題を解決し、工業化された生産モデルを作り上げた。現在、知行合一アニメは年ごとに6~7の作品を同時に制作することができ、年間制作量は1300分を超えている。
「数年にわたる発展と経験の累積、技術や資金などの条件が満たして、知行合一アニメはオリジナル領域への挑戦を本格化させ、オリジナルこそがこのチームの初心である」李岩松氏は、2021年に知行合一アニメのオリジナル作品『霊云代碼』が正式に公開されて、この作品は、民族団結を提唱するアニメで、広く注目を集め、国家文化輸出の重点プロジェクトや「シルクロード映画橋」プロジェクト、「第14次五カ年計画」における文化発展の重大プロジェクトにも選ばれたと語った。
主旋律の内容は、皆が好む形で広がるべき
「主旋律や正のエネルギーを持つコンテンツは、若者が好む形で広がるべきだ。このようなアニメ作品は、観賞性があり、文化の伝播力と影響力を高めることができる」と李岩松氏は述べた。現在、中国のオリジナルアニメ産業は、近年高速発展期に入り、一方では先進的なモデルやコンテンツを取り入れ、もう一方では巨大な市場潜力の中で、主旋律の国産アニメも独自の特徴を発展させている。
「私たちが制作した作品は、できるだけ千年の文化や伝統を表現し、現在流行っているアニメの表現を使って、深い文化的背景と「自強不息、厚徳載物」の精神を表現している」と李岩松氏は語った。多くの優れた古い映画は、過去の年月に私たちに多くの力を与えてくれた。だからこそ、これらの優れた素材を深く掘り下げ、最高のストーリーと表現手段を使って、紅い精神を伝え、主旋律アニメを作り上げていくべきだと考えている。
今年、長春映画祭では、知行合一動漫制作したアニメ映画『甲午海戦』が許可をもらい、正式にプロジェクトがスタートし、李岩松氏のチームもこれでやる気満々になった。「国産アニメにとって、今は一番いい時代ではないかもしれないが、最高の時代はまもなくやってくる」と李岩松氏は語った。「私たちは、主旋律の作品をアニメの形で深く人々の心に届け、中国の物語をアニメを通じて世界に示すために、私たちは決して諦めず、努力し続ける」